つれづれなるままに

本が大好き。備忘録もかねて感想を書いていこうと思います。

読書感想文4:ファイト・クラブ 著 チャック・パラニューク

一言感想:生きている心地はなにから感じればよいのか

概要 

平穏に仕事をし、生活を営む「ぼく」。ステータスとして整った家具を集めることを趣味としているが、生きている実感を味わえておらず、空虚な毎日であった。唯一、生の実感を味わうことができる癌患者互助グループでの会合を楽しみに生活をしている。そんな彼の人生はタイラー・ダーデンと出会ったことにより変化していくのであった。

感想

仕事をし、お金を稼ぎ、贅沢をする。他者より優位にたとうとするためにSNSに自分や手に入れたものをアップする。私も含め多くの現代人が行っていることだ。しかし、タイラーは違う。自分から見た価値を信じ、現代社会を破滅させようとしている。端からみればテロリストと同じような行動をしているが、読んでいるうちになぜかタイラーがすごくかっこよく見えてきてしまう。主人公がファイトクラブで他人を殴ることや受けた痛みを通して生きていることを実感している姿、どんどん仕事に対して不真面目になっていく姿をみているとハラハラする一方でうらやましいなという気持ちにもなってしまう。私は何によって生きている心地を感じている?仕事?家族との生活?はたまたお酒をのんで一息ついているとき?思わず考えこんでしまった。それは人それぞれだが、タイラーのようにスカッと生きていくことができれば楽しいだろうなと思う。

まさかの事実発覚にももちろん驚いたが、石鹸って手作りできるんだー、マーラがかわいそうだな・・・などと単純な感想もでてくる一冊。まだまだ読み込みが浅いため、日をあけて再読していきたい。