読書感想文1:レイチェル 著ダフネ・デュ・モーリア
一言感想:優しい悪女
- 作者: ダフネ・デュモーリア,Daphne du Maurier,務台夏子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 文庫
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概要
身よりのないフィリップ(わたし)は幼いころから従兄であり、コーンウォールの領主でもあるアンブローズと一緒に暮らしている。女嫌いのアンブローズの影響か、フィリップは女性にはまるで興味なし。あるとき、アンブローズがイタリアで急に結婚した。報告があった手紙からは相手の「レイチェルさん」を慕っているアンブローズの言葉が。にわかには信じられず、アンブローズをとられた気になり嫉妬心すら覚えてしまうフィリップ。しかし、次第に手紙は不穏なものへと変化し、最後にはアンブローズの死を告げられる。なぜ?「レイチェルさん」とはいったいどんな女性なのか。疑心暗鬼になるフィリップ。しかし、実際「レイチェルさん」に会ってみると・・・。
読後感想
まず、フィリップ。あなた感情的になりやすすぎでは。女性に免疫がないからかもしれないけれども、会ったこともないレイチェルのことは散々悪く思っていたくせに、いざレイチェルに会ったとたん、なんとか屋敷に引き留めようとするし、財産は差しだそうとするし・・・。お前、やめとけ!って何度もツッコンでしまいました。
レイチェルさん、表紙のイラストでイメージしているけれども、たぶん絶世の美女ではないんだよね。きっとどこにでもいるような女性。でも、仕草や話し方が女性らしい。登場人物の一人も、そのようなことを話しているシーンもありましたし。こんな女性になりたいなーーーって思っているけれども、難しそう。フィリップにとっては、幼なじみのルイーズとは大違いに見えたでしょう。ルイーズはフィリップのことが好きなのかなんなのか時折嫉妬してみせる感じが年頃の女性らしく読んでいてにやにやしてしまいました。ルイーズもはきはきした女の子で、とってもかわいいんだけどなあ。
最後のオチにはあえて触れないようにしておきますが、とにかくページをめくる手が止まらないこと間違いなし。本当にレイチェルは悪い人だったのか、それとも一人の男性を愛した純粋な人だったのか。明確な答えがないからこそ、もやもやする一方、楽しい読後になりました。同じ作者さんの本は、有名なレベッカの方を先に読んだのですが、自分的にはそれ以上に好きかもしれません。近代の技術で映画化とかしてほしいです。舞台化は難しいかな。ほとんどお屋敷でのシーンしかないし・・・。
あと、単純にイギリスに住みたくなります。イングリッシュガーデン最高!!。