つれづれなるままに

本が大好き。備忘録もかねて感想を書いていこうと思います。

読書感想文4:ファイト・クラブ 著 チャック・パラニューク

一言感想:生きている心地はなにから感じればよいのか

概要 

平穏に仕事をし、生活を営む「ぼく」。ステータスとして整った家具を集めることを趣味としているが、生きている実感を味わえておらず、空虚な毎日であった。唯一、生の実感を味わうことができる癌患者互助グループでの会合を楽しみに生活をしている。そんな彼の人生はタイラー・ダーデンと出会ったことにより変化していくのであった。

感想

仕事をし、お金を稼ぎ、贅沢をする。他者より優位にたとうとするためにSNSに自分や手に入れたものをアップする。私も含め多くの現代人が行っていることだ。しかし、タイラーは違う。自分から見た価値を信じ、現代社会を破滅させようとしている。端からみればテロリストと同じような行動をしているが、読んでいるうちになぜかタイラーがすごくかっこよく見えてきてしまう。主人公がファイトクラブで他人を殴ることや受けた痛みを通して生きていることを実感している姿、どんどん仕事に対して不真面目になっていく姿をみているとハラハラする一方でうらやましいなという気持ちにもなってしまう。私は何によって生きている心地を感じている?仕事?家族との生活?はたまたお酒をのんで一息ついているとき?思わず考えこんでしまった。それは人それぞれだが、タイラーのようにスカッと生きていくことができれば楽しいだろうなと思う。

まさかの事実発覚にももちろん驚いたが、石鹸って手作りできるんだー、マーラがかわいそうだな・・・などと単純な感想もでてくる一冊。まだまだ読み込みが浅いため、日をあけて再読していきたい。

読書感想文3:卍 著 谷崎潤一郎

一言感想:クレイジーサイコパスレズ

卍(まんじ) (新潮文庫)

卍(まんじ) (新潮文庫)

概要
真面目で仕事熱心な夫との単調な生活にどこか飽きてきていた主人公園子。園子は学校に通っていたが美術の時間、同じく女学生である「光子さん」と出会う。美しい光子に惹かれていく園子。二人は秘密の「姉妹」の関係となるのであった。夫がいる身でありながら光子を愛する園子。そこに光子の許嫁を名乗る男、園子の夫も交え物語の糸は複雑に絡み合っていく。最後に彼女たちが選んだ行動は・・・。
読後感想
とにかく光子の魔性の女感がすごい。そしてこの小説は自分的に名言、名シーンが多いなと感じる一冊。例えば光子の「男の人が女の姿見て綺麗思うのん当たり前や、女で女を惑わすこと出来る思うと、自分がそないまで綺麗のんかいなあいう気イして、嬉してたまらん」この一言に光子の自信と愛されて当然ですよ感があふれていると感じられる。また園子の夫の「お前は僕のことパッションないいうたけど、僕にかてパッションあったんや。」セリフが長かったため省略してしまったが、これは夫と光子が関係してしまった後の夫のセリフである。以前に園子から恋をしらない、パッションがないと言われ続けていた夫が、光子に魅了されてしまった。園子は夫の不貞に傷つくよりも先に光子の気持ちが夫に揺らがないか不安になってしまうのである。すでに夫婦関係は破綻しており、奇妙な三角関係が築かれてしまっている。その後に、光子が二人から受ける愛情を永遠のものにするためにとった行動はいまでいう洗脳といえるだろう。薬(睡眠薬?)を多量に飲ませ思考が働かない状態にさせる。夫婦が互いを疑いあうように仕向ける。自信過剰で愛らしく、ちょっと生意気な物語前半の光子は一体どこへいってしまったのか。夫も序盤は光子と仲が良すぎる園子を窘めてくれる善良な人なったのに、完全に光子の毒牙にかかってしまったかのような印象を与えられる。恐るべし光子。でも実際知人にいたら自分も惹かれてしまい、破滅への道を選んでしまうのかもしれないと思ってしまうのだった。

読書感想文2:死のドレスを花婿に 著 ピエール・ルメートル

一言感想:後半部分快感、そこまでの辛抱

 

死のドレスを花婿に (文春文庫)

死のドレスを花婿に (文春文庫)

概要

 

主役はベビーシッターの女性ソフィー。夫を過去になくしていることは明らかになっている。ある日、ソフィーが世話をしていた少年の家に泊まったときに事件は起こった。朝、目が覚めたら少年が死んでいたのだ。家の扉には鍵がかかっており、少年の両親は外出中。ということは、殺してしまったのは明らかに自分。そしてソフィーには最近記憶がなくなったり覚えがないことばかりしてしまうという事実があった。殺人鬼として捕まる前に逃げなくては…。

読後感想

章毎に視点が変わるから、ああ、これこういうことだったのね!っている気持ちを味わいたい方にはピッタリの一冊だと思います。同じ著者の作品であるカミーユ警部シリーズを読了していたため、騙される気持ちではいたけれども、謎が解明されていく過程ではやはりびっくりしました。以下ネタばれ。

 

 

とにかく、幸せなソフィーを襲っていく作為的な不幸が本当にかわいそう。夫へのプレゼントをしまったとおもったのに全然違う場所から後日出てきたとなったら、それが何度も続いたら。自分はやばくなったんじゃないか、認知症になってしまったんじゃないかって思わずにはいられない。でもそんなこと誰にも相談できない。合鍵を作って自宅に入るなんて読んでるこっちからすると意外と簡単な手法なのね、って思っちゃうけれども、忍び込まれている本人にとっては考えもしないんだろうな、と。もしかしたら自分の家も同じようにされてたらゾッとしますね。心がしんどくなるソフィーのかわいそうなシーンを抜けると後半部分は仕返し(このような表現でいいのか)へ。そこからが爽快! もちろんハッピーエンドってわけにはいかないけれどやられたらやり返すの精神があって、私的にはすごくよかったです。でも最初に殺されちゃったレオ君のお母さんの気持ちとかを考えると大団円では終わりませんね。まあサスペンスなので仕方がないか。もう一つ印象的だったシーンをあげるとしたら、お父さんがしれっと記録を捏造したところ。その捏造記事も反撃の大きな一手になってるから 本当におもしろい。父と娘の絆を感じました。 こういうあとからえ!ってなるサスペンスとかミステリーすごくツボなのでもっと読みたいなあ。

読書感想文1:レイチェル  著ダフネ・デュ・モーリア

一言感想:優しい悪女

レイチェル (創元推理文庫)

レイチェル (創元推理文庫)

概要

身よりのないフィリップ(わたし)は幼いころから従兄であり、コーンウォールの領主でもあるアンブローズと一緒に暮らしている。女嫌いのアンブローズの影響か、フィリップは女性にはまるで興味なし。あるとき、アンブローズがイタリアで急に結婚した。報告があった手紙からは相手の「レイチェルさん」を慕っているアンブローズの言葉が。にわかには信じられず、アンブローズをとられた気になり嫉妬心すら覚えてしまうフィリップ。しかし、次第に手紙は不穏なものへと変化し、最後にはアンブローズの死を告げられる。なぜ?「レイチェルさん」とはいったいどんな女性なのか。疑心暗鬼になるフィリップ。しかし、実際「レイチェルさん」に会ってみると・・・。

読後感想

まず、フィリップ。あなた感情的になりやすすぎでは。女性に免疫がないからかもしれないけれども、会ったこともないレイチェルのことは散々悪く思っていたくせに、いざレイチェルに会ったとたん、なんとか屋敷に引き留めようとするし、財産は差しだそうとするし・・・。お前、やめとけ!って何度もツッコンでしまいました。
レイチェルさん、表紙のイラストでイメージしているけれども、たぶん絶世の美女ではないんだよね。きっとどこにでもいるような女性。でも、仕草や話し方が女性らしい。登場人物の一人も、そのようなことを話しているシーンもありましたし。こんな女性になりたいなーーーって思っているけれども、難しそう。フィリップにとっては、幼なじみのルイーズとは大違いに見えたでしょう。ルイーズはフィリップのことが好きなのかなんなのか時折嫉妬してみせる感じが年頃の女性らしく読んでいてにやにやしてしまいました。ルイーズもはきはきした女の子で、とってもかわいいんだけどなあ。
最後のオチにはあえて触れないようにしておきますが、とにかくページをめくる手が止まらないこと間違いなし。本当にレイチェルは悪い人だったのか、それとも一人の男性を愛した純粋な人だったのか。明確な答えがないからこそ、もやもやする一方、楽しい読後になりました。同じ作者さんの本は、有名なレベッカの方を先に読んだのですが、自分的にはそれ以上に好きかもしれません。近代の技術で映画化とかしてほしいです。舞台化は難しいかな。ほとんどお屋敷でのシーンしかないし・・・。
あと、単純にイギリスに住みたくなります。イングリッシュガーデン最高!!。

 

はじめてのブログ

なにか新しいことをやってみたいとおもって

いままで、ネットは見るのが専門でした。

今回、ブログを始めてみようと思ったのは、20代も後半になり、自分の思っていること、考えたことを発信してみるのもいいかも!という行き当たりばったりな気持ちからです。

高校、大学、社会人からの転職。みんな経験していること。でも、それらを重ねることにどんどん自分の感じたことをそのまま言える友人がすぐに会える環境じゃなくなってきているのはすごくさみしい。だからというわけではないですが、人に気を遣わずに発信できるネットを頼ってみようとの考えに至ったのです。

 

なにを書く?

幼稚園のころから、本を読むのがとても好きでした。本を読み聞かせしてくれた両親の影響??祖父からの誕生日プレゼントは小学生低学年のときからピーターラビットのついた図書カード5000円分。

かといって、難しい本を読んでいたわけではなく、普通にコバルト文庫とか、電撃文庫とか読みやすい本で楽しい本を読んでました。俗に言うラノベです。文庫本はブックオフで100円で売ってましたし。母からはたまには新書も読みなさいと怒られた記憶が・・・。読んだラノベの感想を学校で友達と語って、わいわいする。そして貸し借り。漫画と違ってラノベだと学校に持ち込んでも怒られることはありませんでした。

社会人になって、ペースは遅くなりつつも継続していた読書。読む本のジャンルも増えてきて、ラノベ以外にも手をつけるようになってきました。ところが、社会人になってみると周りに本が好きなひとがいなくなってしまった!いや、いたのかもしれないけれども、そもそも趣味の話をしない。仲良しの同期は本を読む人あんまりいないし、熱意をもって感想を語っても引いてしまわれるのがオチ。映画化された小説以外の話も私はしたい、昨日読んだ本の感想を語りたい。あわよくば布教したい・・・!という欲求を耐えるのはかなりつらく、ネットでその本のレビューをみて落ち着かせていました。どこかでこの気持ちを発散できれば!もやもやの日々が続きました。

ということで、わたしの初めてのブログは主に読んだ本の感想をつらつらと書いていきたいと思います。文章力皆無で見苦しいところは多々ありますが、よろしくお願いいたします。